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マルチスケール数値解析

  • ディープラーニングを用いた数値シミュレーション(2018年12月7日)
  • SDMを解析対象を非定常問題へ拡張しました(2017年2月)

      詳細は こちら の修士論文をご覧ください.
  • 積層構造のSDM解析を追記しました(2015年2月15日)
  • SDMを用いた非線形解析を追記しました(2015年2月15日)
  • 次世代数値解析技術の創出
    近年,数値解析技術は著しく発展しています.この技術を用いれば,実験を行わなくとも,コンピュータ計算で物理・化学・生体の様々な現象を予測できるため,工業製品,建築構造,医・化学薬品の設計や開発に幅広く利用されています.

    当研究室では,計算速度を飛躍的に高めるマルチスケール技術を独自に開発しています. これまでに

    ■シームレス・ドメイン・メソッド

    ■二段階数値解析

    ■有限非均質要素法

    という新しい手法を提案し,有効性を実証してきました.
       
  • シームレス・ドメイン・メソッド (seamless domain method, SDM)

    ■ 概要

    本手法は,粗い空間離散化(粗い節点間隔)を用いても計算精度が落ちず,計算速度を従来比10倍〜数千倍まで高められる新しい技術です.これまでに本手法による定常線形解析(定常温度場や線形弾性場)を行いました. 上記二種類の解析においては,既存のマルチスケール解析を上回る性能を持つことが示され,次世代解析技術としての可能性を備えていると考えています.

    今後は本手法を,非定常解析(時間変化する温度場など)や非線形解析(弾塑性変形など)に拡張していきます.

    ■ 原理

    右図上部のように解析対象物(ドメインと呼びます)内に点を散りばめ,各点で温度を定義します. まず赤円内の点の温度を参照して赤円内の温度分布を求めます(このとき特別な温度補間を行います). 続いて青円の温度分布を求めます.このとき二つの円が点3〜6を共有することから,両円の共有部の温度分布が重なり合います. 各点を中心とする円を全て描けば,ドメインは右図下部のように円同士の共有領域によって埋め尽くされます. 単独の円が所有する空間や円弧がなくなるため,継ぎ目のないシームレスなドメインができあがり

    ・円内温度分布は支配方程式を満たす

    ・共有円弧上で温度勾配が連続となる(継ぎ目が消失)

       

    が保証されます.これを換言すると 『ドメイン全域に渡って支配方程式を満たす,不連続部のない温度分布が得られる』 ということになります.

    ■ 特色

    本手法は,当研究室で開発された独自の技術であり,他手法を凌駕する高い性能を誇ります. 複合材料(右図上部)を対象とした定常熱伝導解析を行った結果を右図下部に示します. 本手法の解析モデルはわずか100節点程しか持ちませんが,2万節点に細分割して解析を行ったFEMと全く同じ温度分布が得られました(平均温度誤差:0.003度).
       
  • 二段階数値解析 (two-step numerical analysis, TSNA)

    ■ 概要

    本手法は多種の解析法(有限要素法,境界要素法,有限体積法,メッシュレス法)に組み込むことができ,計算速度を大幅に向上させることができます(計算精度は上記のシームレス・ドメイン法に及びません).

    ■ 原理

    定常熱伝導解析を例に,本手法の原理を説明します.解析の第一段階において,非均質性を表現できる特性要素を作成します.右図左上に示す全体構造から,9つのユニットセルを取り出します.特性要素となるのは中央のユニットのみで,残り8つのユニットは特性要素が周囲から受ける影響を取り入れるために存在しています. 第1段階では,右図右側のように4隅の節点温度を変えて,4つの異なる温度分布を取得します.特性要素内の温度がどのようなものであっても,これら4つの温度分布を上手く重ね合わせることで表現できます. このとき,特性要素内の非均質な材料分布(この例では,繊維が存在すること)による温度場の乱れを正確に反映できます.
       

    ■ 特色

    第一段階で作成した特性要素を用いて構造全体をモデル化し,全体解析を行うことで,高精度かつ低コストな解析が可能となります.

    実際にTSNAを用いて,右図上部に示す複合材料を対象とした定常熱伝導解析を行いました. 炭素繊維に比べ,母材である樹脂の熱伝導率は低く,繊維の約2000分の1しか熱を通しません. 上下面を加熱し,左右の面を冷却した際の,温度分布を右図下部に示します.

    スペースの都合上,解析モデルの左上の部分のみ示しています. 本手法の解析モデルはわずか152節点しかもちませんが,概ね真に近い温度分布を算出できます.
       
  • 有限非均質要素法(finite heterogeneous element method, FHEM)

    ■ 概要

    複数種の材料から成る複合材料の微視的な非均質性を反映させる新しい有限要素法(FHEM)を開発しました. 事前にユニットセルの数値解析を行わずに,非均質な構造の特性を明らかにする方法は,これまで存在しませんでしたので,本手法の今後の発展が期待されています.

    ■ 原理

    非均質な複合材構造の中からユニットセルを取り出します. ユニットセル内の非均質な材料分布の特徴を把握するために,ユニットセルを薄くスライスします. そして各構成物質をそれぞれバネとみなし,スライスをそれらの合成バネとみなします. これによりスライス内に生じるひずみ分布が得られます. 全スライスの情報を繋ぎあわせることでユニットセル全体のひずみ分布が得られます. 後は通常のFEMと同様に,ひずみ分布の情報から要素剛性行列を計算すれば,非均質性を表現できる要素が完成します.
       

    ■ 特色

    これまで,一つの要素は一種の物性(均質体)しか表現できませんでしたが,本手法により一つの要素で多種の構成物を表現できるようになりました. 提案する非均質要素は,右図のように構造の非均質性に基づいたひずみ分布を表現できますが,特別な計算コストを要しません.これによりコストを低く抑えた高精度解析を実現します.
       

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